一人暮らしを始める際、家電を揃えるのは大きな出費です。
そんなとき、「家電レンタル」が選択肢に入ってくるでしょう。
初期費用を抑えられ、手軽に新生活を始められるように見える家電レンタルには、魅力があります。
しかし、その手軽さの裏には、見落としがちなデメリットが潜んでいることも事実です。
この記事では、家電レンタルの隠れた落とし穴について解説します。
【費用面】結局高くつく?家電レンタルと購入の損益分岐点

家電レンタルの一番の魅力は初期費用を抑えられることですが、長期的に見ると、購入するよりも総額が高くつく可能性があります。
長期利用で総額が購入費用を上回る可能性
例えば、一人暮らし用の冷蔵庫を月額3000円でレンタルした場合、1年で3万6000円、2年で7万2000円、3年で10万8000円の費用がかかります。
同じような冷蔵庫を新品で購入する際の価格は、約3万6000円でした。
(参考:TWINBIRD 121L 2ドア冷凍・冷蔵庫 ダークカラー|家具・家電レンタルのCLAS)
家電レンタルは、新品の家電購入費用や、フリマアプリなどで中古品を安く購入する場合と比較すると、割高になることもあります。
しかし、家電レンタルであれば、捨てる際の費用が掛からなかったり、万が一気に入らなかった場合は交換できるといったメリットもあります。
隠れた追加料金に注意
月々のレンタル料だけを見て契約すると、後で思わぬ出費に驚くことがあります。
家電レンタルには、次のような追加料金が発生するケースがあります。
- 送料・設置費用・回収費用: 無料としている業者もありますが、地域や階数によっては別途料金がかかる場合があります。
- 保険料・メンテナンス費用: 故障時の補償や定期メンテナンスが有料となる場合があります。
- 解約料・違約金: 契約期間の途中で解約すると、高額な違約金が発生することがあります。特に、「契約期間の縛り」と「途中解約時の違約金」には要注意です。
- 延滞料: 月々の支払いが遅れると、追加料金が発生することもあります。
家電レンタルサービスによっては、送料や契約期間の縛りがないケースもあります。

いくつかのサービスを比較して、自分に合った家電レンタルを利用しましょう。
初期費用は抑えられるが、月々の固定費が増える
家電レンタルは、一時的な出費を抑える点では優れていますが、その代わりに月々の固定費が増えます。
例えば、月々数千円のレンタル料は、人によっては家計を圧迫し、貯蓄ペースが落ちる原因にもなりえます。
手元に資金がないからと安易にレンタルを選ぶと、長期的な視点で見ればかえって経済的な負担になることもあるため、注意しましょう。

どのくらいの期間利用するつもりなのか考えてからレンタルしましょう。
【利便性・自由度】「自分だけの家電」じゃない不満点
家電レンタルは手軽ですが、「自分のもの」ではないがゆえの不便さや、自由度の低さもデメリットとして挙げられます。
選べる家電の種類・モデルが限られる
家電レンタルサービスが提供している家電は、基本的に業者側が選定したモデルや型落ち品、中古品が中心です。
そのため、最新モデルや特定のメーカー、デザイン性の高い家電など、自分のこだわりを反映した家電を選ぶことは難しいでしょう。

家電レンタルの中には、最新の家電を取り扱っているものもあるため、いくつかのサイトを確認してみると、自分に合った家電が見つかるかもしれません。
カスタマイズや改造ができない
レンタル品はあくまで借り物なので、自由に手を加えられません。
例えば、冷蔵庫にステッカーを貼ったり、洗濯機を塗装したりといったカスタマイズはできませんし、破損や汚れがあると返却時に費用を請求される可能性があります。
故障・不具合時の対応と手間
万が一、レンタル中の家電が故障した場合、基本的にはレンタル会社に連絡して修理や交換を依頼することになります。
しかし、業者とのやり取りや、交換品が届くまでの期間、代替品がない期間の不便さは避けられません。

場合によっては、利用者の過失による故障と判断され、自己負担が発生するケースもあるため、契約内容を確認しましょう。
引越し時の制約
引越しをする際も、レンタル家電は一手間かかります。レンタル会社に連絡して返却手配をしたり、引越し先に移送してもらう手配をしたりする必要があります。
また、レンタル会社によっては、全国展開していないため、引越し先で利用を継続できない可能性もあります。
新たに別のレンタルサービスを探したり、購入を検討したりする手間が発生します。
【衛生・品質】中古品ならではの不安と懸念
レンタル家電には、中古品が含まれることが多く、衛生面や品質に関して不安を感じる人もいるかもしれません。
清潔面への不安
「前の利用者がどんな使い方をしていたかわからない」「目に見えない汚れやニオイが残っているのでは?」といった不安は、多くの人が抱く懸念点でしょう。
特に、冷蔵庫や洗濯機といった直接食品や衣類に触れる家電は、気になる方もいるでしょう。

新品をレンタルできる会社もあります。
【心理面】所有欲が満たされないデメリット
最後に、金銭的・実用的なデメリットだけでなく、心理的な側面も考慮しておく必要があります。
「自分のもの」にならない抵抗感
家電は日常生活に密接に関わるものだからこそ、「自分のもの」という感覚は大きいものです。レンタル品は、長く使っても自分のものにならないケースもあります。

レンタルしてみて気に入った家電を購入できる家電レンタルもあります。
こんな人は要注意!家電レンタルが向いていないケース
ここまで挙げたデメリットを踏まえると、次のような人には家電レンタルはあまりおすすめできません。
- 長期的に一人暮らしをする予定がある人: 2~3年以上の利用を考えているなら、購入の方が経済的になる可能性が高いです。
- 家電にこだわりがある人: 最新モデルや特定のデザイン、メーカーの家電を使いたい場合は、レンタルできない可能性があります。
- 潔癖症の人、中古品に抵抗がある人: 中古の家電に生理的な抵抗がある場合は、精神的な負担になる可能性があります。
- 家電の知識があり、フリマアプリなどで安く調達できる人: 自分で安く家電を揃えるスキルがあるなら、レンタルよりも初期費用を抑えられるかもしれません。
家電レンタルに関してよくある質問
まとめ:デメリットを理解した上で、最適な選択を

家電レンタルは、初期費用を抑えて手軽に新生活を始めたい人にとって、魅力的な選択肢です。しかし、長期的なコスト、自由度の低さ、衛生面への懸念、そして「自分のもの」にならない心理的な側面などのデメリットもあります。

家電レンタルのデメリットを理解した上で、あなたのライフスタイルや経済状況に応じて、最適な選択しましょう。
もし、短期的な利用(1年未満)や、とにかく初期費用を抑えたい場合は、家電レンタルがおすすめです。
しかし、2~3年以上の長期的な一人暮らしを考えているなら、トータルコストで考えて購入を検討しても良いでしょう。
1年1か月以上使うなら、新品を購入した方がお得といえるでしょう。